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ファイヤーバックを外すと見えてくるセラミック製の二次燃焼室はかなりのボロボロ状態だった。 去年の点検時の状態から、今年の状態は予想できていたけれど、流石にここまで来ると驚きで哀しいものだね。
右下の写真は1シーズン使用後の2年前のものだけど、角はちゃんと尖っているものね〜
画像からは良く判らないかも知れないけど、セラミックの割れや欠けは相当なもので、無理して使ってあと1シーズンの命か・・・
使ったとしても気密が保てないというか、導かれた煙の1/3程度はコンバスターを通らずに漏れて排気されてしまいそうだ。
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まずは、コンバスターへの入り口のスロートフードを外すのだけれど、コイツはいつも歪んでいてまともに外れたためしがないのだ。 今回も仕方がないのでハンマーで叩きつつスライドさせて外し、その後左右のクサビを抜いてファイヤーバックを外すのだけれど、このパーツはかなり重い、アンダイアン(薪止)を先に外しておいた方が無難だね。
手前のアンダイアンは根本でボルト締めされているだけで外すのは簡単。 |
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こちらが2年前の状態でキレイなものさね。 |
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上下2本のボルトで固定されている左右のエアープレートを外すと、ガスケットはかなりヤレていた。
一次空気はここを通ってフロントドアからのエアーカーテンになる訳で、漏れてしまうと水平燃焼、コンバスター燃焼の機能の低下につながる重要なポイントなのだ!
ここの3/8ガスケットは、3年に一度は替えたいところだね。
右側のエアープレート内部には、自動温度調整機能のための、一次空気サーモスタットが格納されている。
これは特に異常もなく、ワイヤーの張り具合も問題無しだった。 これは特別定期交換部品でもないだろうけど、ストーブ温度計と違って数字の狂いが見えないから、ここのバイメタルの寿命の判断は難しいかな。 とりあえず今回はパスだね。 |
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ワイヤーは少々錆びてはいるものの、まだ当分使えそうだね。 一次空気の取り入れ口の開閉も点検OK!
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コーナー設置だから後ろ側に人の入れるスペースはなくて、背面をまともに見るのは設置以来のことだ。 液ダレのあとが数本見えるから、状態の悪い薪を焚いた結果のことだろうし、口元のガスケットがイカレているのだろう。 上から口元を覗いてみると、何とまぁ部分的に0.5ミリ程度の隙間があるじゃないか・・・
ここのガスケット5/16も今回は要交換だね。
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セラミック製の二次燃焼ボックスの正面の蓋を外してみると、二次空気用のサーモスタットのセンサーが見えた。 これはダッチウエストの薪ストーブで言うところのプロープ温度計みたいなものだね。 コンバスター燃焼室の温度を感知して、二次空気量の調節を行っているもので、右の写真のとおりセンサー先端はスッカリ溶けてしまったようだ。 これも部品の調達をしておいて良かったよ!
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あとで新品を取付けてみて分かったのだけれど、このバイメタルは少々イカレているのだ。 常温では右の写真のようにもっと閉じているべきもののようなんだね。 ただ、規定値が判らないから何ともいえないけれど・・・ 熱くなるとコイル状のバイメタルが広がった形になりフタを持上げるということになるのかな。 二次燃焼室の温度上昇とともに、エアー吸入量を増やしてコンバスターの働きを活発化させる。 コイツは押し下げてみてもストッパーがあって全閉はしないんだよね。 恐らくはこのバイメタルがイカレても、最低限のエアー供給が可能なようにと最初からある程度の隙間を確保しているのかな? そもそもがかなりアバウトなものなのかも知れない。
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イカレた二次空気サーモスタットを引き抜いて新品パーツと比較すると、ご覧の通り3年でこれだけ溶けて短くなってしまったのだ。
これでも一応は感知するのかも知れないけど、ボクの焚き方だと、もっても5年かなぁ〜
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さて、いよいよアッパーファイヤーバック(ダンパーユニット)を外すのだ。 二次燃焼ボックスはこのダンパーを外さないと取り出すことが出来ないからなのだ。 今回はアッパーファイヤーバックもアッセンブリーでそっくり交換だからいいけれど、二次燃焼ボックスだけの交換の時もこの手順を踏まなければならないというのは、アンコールのメンテナンス性は良いものとはいえないね。 どう考えてもダンパーより二次燃焼ボックスの方が先にイカレてしまうはずだからね〜 ボクの場合は少なくとも5年に1度はこの作業が必要になりそうだ!
ダンパーユニットは左写真、背面のボルト2本で固定されている。 こちらを緩める前に左上写真のダンパーハンドルを先に6角レンチで外してやる必要がある。
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予感はあったんだよねぇ〜 いや〜な感触とともに的中、トラブル発生なのだ! ダンパーを固定しているボルトの1本が途中で折れてしまったよ。 もっとも想定内の出来事だから心配ご無用、替えのボルトも入手済! ただ、外したダンパーユニットを整備して予備にストックという当初の目論みは簡単には叶わなくなってしまった。 どうしても使うとすれば、ボルトサイズを変えてドリルで穴を開けて、ネジを切り直すしかないないみたいだね。 厄介なことだけは確か・・・
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ボルトを外したあとダンパーユニットを引っ張ってみると、耐火セメントの欠片がボロボロ崩れ落ちて、ボルトのタガがなくなった右側から意外と簡単に外れてしまった。 耐火セメントはジョイント部の隙間塞ぎだろうから、殆どボルト2本で固定されていたみたい。 この事実はあっけない驚きでもあったよ(笑) 左側のダンパーハンドル軸を抜いてやると完全に取り外されて、二次燃焼ボックスが完全に露出してその上にある煙突口元から光が見えた。
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いやぁ見事にボロボロだね。 二次燃焼ボックスを取り外してしまうと、何とも素っ気ないほどのガランドウ(笑)
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焚いた時間は3シーズン、実質10,000〜12,000時間かなと思う。 軽量セラミックの二次燃焼ボックスはごらんの有様で、3シーズンで本当に逝ってしまったようだね。 このセラミックボックスは、毎年シーズンオフの掃除のたびに崩れ落ちて行ったのだ。 少しずつだけど確実にね(笑) このパーツ、これは絶対に消耗品だと思う。
薪ストーブの鋳物本体そのものは、余程のことがない限り20年やそこらで壊れないだろうけど、二次燃焼ボックスだけは間違いなくもっても5年じゃないかな?! 構造を知れば簡単に理解できるけれど、このボックスが歪んだり欠けたりしていれば、そこから漏れた煙の分だけは間違いなく煙突からの排気が汚れていることになる訳で、そうなると、つまりは燃焼効率が低下して、燃費もその分落ちることになるはずだよ。
それにしても何で軟質セラミックなんだろう? 硬質セラミックや鋳物で二次燃焼室は作れないものなのだろうか? ボクのように毎日焚かないとしても、耐用年数10年は怪しいよなぁ(笑)
メーカーに言いたいのは材質のこともそうだけど、メンテナンス性を問いたいね。 消耗パーツの交換なんだからもっと簡単にして欲しいと切に願うものだ。 バーモントキャスティングスのアンコール、デファイアント、イントレビットUなどのコンバスター機は、この点が惜しい。 環境負荷が少ないコンバスター搭載機に納得してチョイスしたし、トップローディングも気に入っているし、デザインも気に入っているし、ボクはこのストーブがとても好きなだけに、メンテナンス性がすこぶる悪いことが残念でならないのだ。
だけど、惚れちまった以上は、とことん付き合うぜ〜 (笑)
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